立て続けに面白い本を読みました。
物理学者のすごい思考法 (インターナショナル新書)
RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になる

前回の投稿で、人と違うことを言うには、
違う視点を持つことが大事で、そのためには、
人と違う体験をすると良いのではないか、
ということを書きました。

そのときに、趣味を深めることが大事なのではないか
という仮説をご紹介しました。

この二冊、特に後者は、それを裏付けるものでした。

前者の「物理学者のすごい思考法 (インターナショナル新書)」は、
物理学者が普段何を考えているのか、を物理学者ご本人が
紹介してくれます(新書を読んで初めて爆笑しました)。

物理学者は、普段から「物理学」というレンズを通して
物事を考えているようです。
そのため、餃子を作るにも、「皮」と「タネ」の分量を
測って、きちんと1:1になるように、「つるかめ算」で計算してしまう。
(その間、お子さんたちは勝手に餃子を作り切ってしまうわけですが)

ご自身の強みとなる思考方法(物理学者は、日本に一万人ほどいるようですので
ざっと、1万/1億 = 1/10,000の視点)で物事を見ていることになるでしょうか。

次の「RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になる
において、専門一本槍ではなく、いろいろな経験をもつことで、
知識・経験が組み合わさって、面白いアイディアにつながる、といいます。

この本では、超細分化された世界における専門家を認めつつも、
それだけではなく、いろいろなことにトライして、その結果として
自分にあったことを見つける生き方でも、大きな成果を残すことができる
ということを(飽きるくらいの例をもって)教えてくれます。

この本では、
 ・自分の専門性が「あまり使われていない」世界にいく
 ・自分の専門分野において、全く違う世界から知識を持ち込む
ことで、掛け算効果が生まれるとしています。

また、チームを生む場合においても、同質な知識・経験の持ち主ばかりでなく
多様な専門家を集めることで、ブレークスルーが生まれるとしています。

一つのものの見方だけでは、行き詰ってしまう、と。

前述の物理学者は、物理学があまり使われていない「日常生活」に
応用することで、新たな発見をしたり、面白い表現にたどりついているのでしょう。

最近は、経営学においても、「両利きの経営―「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く
等のように、「新たな取り組み」を取り入れることが推奨されています。
もちろん、両利きの経営において、「新しいこと」と「既存事業」を
両立させる目的は、事業を将来においても続けるためです。
ですが、「新しい事業」と「既存事業」の相乗効果もあるはずです。

個人(経営者の立場)においても、新たな視点を身に着け、
そのレンズを通して、今の事業を見てみる、というのは
きっと発見があるはずです。

例えば、過去にご紹介してまいりました枠組み(where/what/how/how much)
等をあえて、使って、強制的に、思考回路を変えてみる、
というのも、「コンサル」のレンズで事業を見るわけですので
客観的に今の立場を整理することにつながる可能性があります。


ということで、「ビジネスモデルを変えれば、うまくいく ~withコロナ時代、小さな会社のサバイバル術~」もぜひ、よろしくお願いいたします。
(プロフィールからリンクがあります)






物理学者のすごい思考法 (インターナショナル新書)
橋本 幸士
集英社インターナショナル
2021-02-05




RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になる
デイビッド・エプスタイン
日経BP
2020-03-26